この文書では、インターシステムズの製品の中で、InterSystems CachéおよびIRIS data platformに関するライセンスポリシーを説明します。
インターシステムズのライセンスポリシーは、ソリューション・パートナー契約の際の契約書一式あるいはエンドユーザーに直接販売する際の契約書一式に含まれる製品に関する条件(この文書は製品別に存在します)という文書で規定されています。
なおこの文書は一般には公開していません。
ここでは、CachéおよびIRIS data platformのライセンスポリシーについてこの文書に書かれていることを要約および補足して説明します。
まずCachéシステムおよびIRIS data platformはこの文書で規定されているライセンスポリシーにでき得る限り忠実にそうようにライセンスチェック機構を実装しています。
しかしながら様々な技術的な制約によりライセンスポリシーとこれら製品のライセンスシステムを完全に一致させることはできません。
そしてもしシステム上のライセンスチェック機構の動作とライセンスポリシー上に不一致が発生した場合には、いかなる場合でもライセンスポリシーが優先されます。
つまりライセンスシステム上許容されている動作であっても、ライセンスポリシーに合致していない場合には、ライセンスポリシーに合うような運用を行わなければなりません。
次にライセンスの形態ですが、Cachéは、ユーザー単位の同時ユーザーライセンスとなっています。
IRIS data platformは、同時ユーザーライセンスに加えて、CPUコア数単位に課金するライセンスタイプも提供しています。
同時ユーザーライセンスの場合、同時ユーザー1名が課金の単位となり、その課金の単位をLU(License Unit)と呼びます。
システムの稼働に必要なライセンス容量を決定する際に、システムのピーク時に同時アクセスする最大ユーザー数を見積もることで必要なLU数が求められます。
さらにこの同時という概念も少し説明が必要です。
ここで言う同時とは、サーバーとユーザーが使用するクライアントデバイス間のソフトウェア的な接続(TCPセッションなど)が確立されているかどうかは関係なく、その仮想的な接続を通してサーバー上のインターシステムズデータプラットフォームの機能を実行できる準備がクライアントデバイス側にできている状態を意味しています。
例えば、接続プールやHTTPのように毎回接続を確立して終了後切断するような技術を使い、クライアント側とサーバー側のコネクションが切れたとしても、クライアント側のアプリケーションが何等かの状態で動作している限り(画面表示され、次のアクションを待っているなど)は、その同時接続が維持されていると考えます。
(これを技術的に完全に検知するのは不可能です。)
そして1LU当たり一人のユーザーの1つのデバイス当たり最大12個の接続あるいはプロセスを(合算して)同時に持つことができます。
同一人物が同時に複数のデバイスを使う場合にはデバイス毎にLUを消費します。
また人と直接結びつかずに単独でサーバーと接続するような1デバイス(医療検査機器など)も1ユーザーとみなします。
さらに人と直接結びつかないバッチプロセス(日時、週時、月時処理など)もLUの1つの形態とみなし最大12同時プロセスまで1LUとしてカウントできます。
エンドポイント(固有の IP アドレス)が同時に 25 以上の接続を処理する場合、そのアクセスは、プロキシと見なされ、各接続は個別のユーザーとして1LUとカウントされます。
IRIS data platformのCPUコアライセンスは、CPUコアがライセンスユニット(LU)の単位となります。
物理サーバー上でIRIS data platformを稼働する場合は、IRISインスタンスまたはIRISクラスタを構成する全てのIRISインスタンスが稼働する物理サーバー上のCPUコア数の総計をカウントします。
仮想サーバー上でIRIS data platformを稼働する場合は、IRISインスタンスまたはIRISクラスタを構成する全てのIRISインスタンスが稼働する仮想サーバー上のCPUコア数の総計をカウントします。
なおインテル社のCPUに採用されているハイパースレッディングのようなSMT(Simultaneous Multithreading Technology)は物理サーバー上ではCPUのコア数としてはカウントしません。
しかし一方で仮想環境やAWSなどのクラウド環境では仮想CPU (製品やベンダー、クラウドサービスによって呼び方が異なるが一般的にはvCPUと表現される)がコア数の単位になります。